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若い世代により良い大学教育を! Vol.1

概要

少子高齢化、右肩上がりの経済の終焉、グローバル化など、私たちを取り巻く社会の環境は大きく変化しました。

そんな中、大学教育はどうあるべきでしょうか?学力や国際ランキングの低下が指摘される今、若い世代にとってのより良い大学教育を考えます。

*いますぐに投票結果を見たい方はこちらを押してください。

 

解説

戦後、日本は生産人口の増大やエコノミックアニマルとも称される働きぶりで目覚ましい経済発展を遂げました。しかし今や労働人口は減少に転じ、若者の負担は増え続けています。
目を外に向ければ、中国を始めとするアジア各国が台頭し、グローバル化による更なる国内の空洞化なども懸念されます。

このような環境の中、少子高齢化でも大学の定員は減ることなく、横ばい状態を維持しています。これにより従来よりも低学力の入学者が増え(倍率は、この20年で1.94倍から1.17倍に減少、18歳人口における進学率は、26.4%から51.0%に増加)、それでも定員が埋まらない大学が出ています。

反面、在学中から社会貢献やボランティアに打ち込んだり、ITを活かして起業するなど、従来の大学にはなかった新しい変化も生まれています。大学側も時代に即した学科を新設したり、授業以外の教育機会を増やすなど、生き残りをかけて様々な取り組みをしているのです。

しかし、未だに昔ながらの授業を行う教員や、変化に反対する官僚的な職員も少なくありません。また「国内企業に新卒で一括就職する」という「出口」が変わらない限り、そこに至る道筋も一定の枠の中に収まってしまうでしょう。

従来、日本は幸せの価値基準を国としての経済成長に置き、政治・官僚主導で業界を指導してきました。しかし、今やかつてのような高度成長は望むべくもありません。大学教育を考えるとは、まさに私たちの社会がこれから何を目指していくのかに通じます。

大学を変えても社会が変わらなければ効果はありません。大学に先駆けて社会が先に変わるべきとも言えるでしょう。また国内が変わらないなら、視点を海外に向けることも、これまで以上に必要かもしれません。

そもそも教育とは何のために、誰のために行うのか、という視点があります。往々にして「社会のため」と言いながら、論じる側の視点に偏り、既存の国家や企業の利益にのみ立つ論調も見受けられます。しかし教育の本質的な価値とは、受ける側が生きていくための知恵や技術や道筋を得ることであり、「受ける本人」の視点を見失ってはいけません。

今、日本の若者の自殺率は先進国で最高水準の高さとなっています。若者の多くは、未来への希望を失っています。「ブラック企業」が新語として定着し、既存の枠の中で消耗されています。教育、まして大学教育が目指すものは、そんな若者が未来に希望を持ち、未来を創る担い手となることです。知識も技術も研究も、全ては若者の人生と、彼らが生きる未来のためにあるのです。

とは言え少子高齢化が進む以上、若者だけでは社会の担い手が足りません。そこで、社会人教育(=現役世代)や、生涯教育(=定年後世代)が、大きくクローズアップされています。寿命が延びる一方で若者人口が減っている今、「年齢に関係なく」みんなが担い手になることも求められているでしょう。

かように大学教育の改革は、「人ごと」ではありません。「若い世代を鍛えるべき」という上からの視点ではなく、「今の自分が受けたい教育」や、「自分が参加・貢献できること」、「未来ある若者が夢を持てる教育」、もちろん「社会がそれによって受ける恩恵」、など、複合的な視点で考えるべきテーマなのです。

 

論点

一口に大学教育の見直しと言ってもあまりに幅広く、一回で検証することは出来ません。しかし論点は以下のように整理できるのではないでしょうか。

1、これからの日本が目指す幸せの価値基準と、その実現に必要な人材とは?
  >この20年間、日本はヴィジョンを失ったまま緩慢に衰退していないか?
   成熟した社会に相応しい、新たな価値観とは?

2、そうした人材を育成する場合の具体的な方法とは?
  >次項に挙げる政府の考える大学改革の骨子が参考になります。

3、その実行を阻害するものや解決法は?

今回は大学教育を考える初回として、「これからの日本が目指す幸せの価値基準と、その実現に必要な人材」を取り上げます。

そして次回以降、それを元に政府の構想や個々の方法論を検証したいと思います。
なお今回、賛否両論の項については「日本の大学の良い所、悪い所」を、参考までに挙げています。

 

提言・世論・現況等

現在、政府が掲げる大学教育の改革要素は下記の通りです。
・安倍内閣の私的諮問機関である教育再生実行会議が2013年5月に提出した「これからの大学教育等の在り方について」の概要。

①グローバル化に対応した教育環境づくりを進める。

②社会を牽引するイノべーション創出のための教育・研究環境づくりを進める。

③学生を鍛えあげ社会に送り出す教育機能を強化する。

④大学等における社会人の学び直し機能を強化する。

⑤大学のガバナンス改革、財政基盤の確立により経営基盤を強化する。

これらは大まかに言えば、世界大学ランキングの上位に連なる欧米の大学に習おうとするものです。まずは、その方針自体への是非論があるでしょう。
たとえばかつて日本に導入された成果主義制度は日本独自の文化を考慮しなかったためにミスマッチとなったという評価があります。しかし海外に学ぶことは日本の伝統的な成功パターンであり、軽視すべきでもありません。

 

日本の大学の良いとされる所

・国内企業や行政を顧客として、その要請にマッチした人材を育成している

・学生の自由度が高く、勉強以外の貴重な学生生活を送ることが出来る

・年齢や学力が近い学生を集めることで均質的な学習環境や学生生活を提供できる

・高卒後、良き社会人となるためのトレーニングの場として機能している

・学内に日本人が多い分、留学プログラムは充実していることが多い

 

日本の大学の悪いとされる所

・学内の国際化が進まず多様性がなく、均質な環境である

・入学してから必要とされる勉強量が少ないとされる

・殆どが新卒一括採用で就職し、学業への影響も発生している

・アカデミックに深く学び考えることが軽視されている

・講義が多く、ディベートやディスカッション能力が磨かれない

 

参考サイト

「世界大学ランキング」
http://ja.wikipedia.org/wiki/世界大学ランキング

「THE UNIVERCITY」
http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2013-14/ 

「これからの大学教育等の在り方について(第三次提言)」、教育再生実行会議
www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/pdf/dai3_1.pdf

「アメリカ留学」の基礎知識(大学・大学院)」、フルブライト・ジャパン(日米教育委員会)
http://www.fulbright.jp/study/res/t1-college04.html  

「2013 アメリカ大学ランキング」
http://www.ryugaku.ne.jp/knowledge 

「ハーバード大学の図書館にある20個の落書きがエリートすぎると世界中が称賛」
http://curazy.com/archives/3537

結果公表

69歳以上が44%で、50-68歳が42%で合計86%が投票者の大半で、30-49歳が12%で、大学在学中が2%で投票参加者の86%が50,60,70歳代のシニアであるが投票者の70%がコメントをまとめて提案しているので、教育に関しては関心が高く熱心な回答を頂いた。

グラフ1
設問1.学歴を教えてください

v0024-1

 

教養や視野の拡大が33%で、就職に必要な資格や勉強をするためが18%であるが、23%が設問が適当ではなく自由回答で、コメントで回答しており、
幅広い目的があり、設問が適切ではないとのコメントがあり、設問作成に問題が指摘された。

グラフ2
設問2.大学入学の目的(大学に在籍又は卒業の方、進学を考えている方)

v0024-2

 

優れた専門知識や研究体験が得られたが28%で、教養や視野が拡がったが22%で、50%を占めており、友人がたくさん出来たが16%で、ボランティアやクラブ活動で成長できたが10%で、ほぼ大半が大学生活に満足している。

グラフ3
設問3.大学生活で有意義だったこと(大学に在籍又は卒業の方)

v0024-3

 

専門知識をもっと得たり研究に励めがが60%で自由回答が23%であり、設問2と同様に設問作成に問題が指摘された。

グラフ4
設問4.大学生活で残念だったこと(大学に在籍又は卒業の方)

v0024-4

 

成長価値社会、ベンチャー社会、全員推進社会などを中心に回答がばらばらで答えはコメントで集約された。

グラフ5
設問5.少子高齢化を踏まえ、今後の日本は何を目指せば良いと思いますか?(択一ではありません。いくつでもOKです)

v0024-5

 

総合総評

柔軟な頭脳を作ることが大切で、即 役に立つテーマが目について画一的な研究ばかりが多く、一つのことに全力で取り組む時間を多くして、ボランティア、会社でのインターンシップ、プロジェクトなどで広く学ぶ機会が必要ではとの指摘と、競争に勝って就職を目指す矮小な人間にならず、広い視野で世界を眺めて問題解決を本気で考える人材に育ってほしい。教授、先輩、同期、後輩等との対話を重ねて相互理解と相手を尊重する場を多くして人間性の成長を期待したい。教官の人材の幅を広げて実務経験の多い教官を加えるなど単なる学問の場ではなく、社会への入口としての場としてなって欲しい。

 

e世論協会特別資料:みんなの意見

※この度の投票で頂いたコメントを全て掲載した電子資料を制作しました。資料の閲覧は会員様限定となっております。資料を読む場合は下のボタンを押して会員登録をしてください。
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若い世代により良い大学教育を! Vol.1 第24回投票結果

2014年9月、e世論協会で行われたネット投票。集まった数多くの意見・提言を資料にして刊行。

■ 発行者:一般社団法人e世論協会

■ 料金:無料

■ ページ数:17ページ

■ ファイル形式:PDF

 

コメント一部掲載

洋 茂

日本の国力が下降気味であり、今後の経済発展が危ぶまれる今日、日本にとって様々な分野での指導者が求められます。このためには、先端分野・海洋開発等新産業分野・国際ルール作り等で活躍できるトップレベルの人材を育成していく必要があります。更に、トップレベルの教育ができれば、そのシステムが国際的に求められ、日本の経済・文化の発展に役立ちそうです。よって、トップレベルの人材育成が望まれます。

Hidetoshi Katsuma

大学教育の大切な柔軟な頭脳を作ることが大切。大学での研究で即役に立つテーマばかりが目につくし、画一な研究ばかりではだめだ。学生に正月、夏休みも返上して取り組むテーマを教授と共に考える。日本の理工系大学ではソーラーカー、ロボット(企業と同じではーーーー)ばかりが目につく。
試案:文科系理工系問わず1学年に生物学・生態学を必修科目に夏休み、春休み、等を返上して農業体験を!語学教育も充実させる。

藤田大悟

1つのことに全力で取り組む時間をしっかりとる。
出来る限り、日本以外の世界を見る機会をつくる。
ボランティア団体、会社など、プロジェクトを作って学ぶ機会を作る。

橋永 孝雄

私は高卒です、零細な(病床につていた)父の稼業を守り21歳で死亡した後を継ぎましたので、大学は出ておりません。社会と夜の各種講演会、講習会、で学び、   特にデールカネギーの金曜日6時~9時の
ヒューマンリレイション、セールスコース、マネージメントコースは有益で実戦に役立ちました。
息子3人には日本及び米国の大学へ行かせました。

自分の目指す目標により学ぶ事が大切と思います。これからの人に期待したい事は
自立と地球環境への貢献です。

岩谷 朗

マスプロではなく、教授、先輩、同期、後輩等自分の身の回りの方と、それぞれのバックグランドを相互理解し尊重しつつ、ディスカッションやディベート等を通して考える力を養う場にしてほしいと思います。