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「アベノミックス」 ― その光と影

概要

平成24年12月に発足した第二次安倍内閣はデフレ脱却を目指して「アベノミックス」を打ち出したが、その「光」の部分があるとともに「影」の部分も目立ってきた。アベノミックスの成否は今後の日本の持続的経済発展を占う極めて重要な課題である。

 

解説

第2次安倍内閣では デフレ経済を克服するためにインフレターゲットを設定し、これが達成されるまで日本銀行法改正も視野に、大胆な金融緩和措置を講ずるという金融政策ロナルド・レーガンの経済政策であるレーガノミクスにちなんで、アベノミクスと呼ばれるようになった。

アベノミクスの「三本の矢」は下記の3つを基本方針としており、安倍首相はそれを「三本の矢」と表現している
第1の矢 大胆な金融政策
第2の矢 機動的な財政政策
第3の矢 民間投資を喚起する成長戦略

個別の政策としては、それぞれの矢として下記などが提示、あるいは指摘されている。
第1の矢は
大胆な金融政策 2%のインフレ目標
無制限の量的緩和
円高の是正
日本銀行法改正

第2の矢は
機動的な財政政策 大規模な公共投資(国土強靱化)
日本銀行の買いオペレーションを通じた建設国債の買い入れ・長期保有

第3の矢は
民間投資を喚起する成長戦略 政策金利のマイナス化(マイナス金利)
「健康長寿社会」から創造される成長産業 「日本版NIH:国立衛生研究所」  
全員参加の成長戦略
世界に勝てる若者
女性が輝く日本

推進体制としては経済政策を進めるために、甘利明経済財政政策担当相の下に日本経済再生本部を設け、さらにその下に経済財政諮問会議、産業競争力会議を設置している。

成果としては第1の矢と第2の矢は株価上昇、ドル高円安でそれなりの成果を上げているが資産効果が生まれたミニ資産バブルで、実体経済に即したビジネスの拡大即ち「市場に真の需要を創出し、その需要が供給を上回る政策」での結果は出ていない。さらに財政再建は引き伸ばされて課題となっている。

第3の矢は行き詰まり、賃上げは物価上昇に追いついていないとの意見もあるが、規制緩和でビザ発給条件の緩和で訪日する外国人が25%増で、昨年は1000万人を超えて、新規参入企業も電力市場では38社から59社へと1.6倍に増加し、農地集約、農地の大規模化、企業の農業参入も法律改正で進み、「国家戦略特区」での200を超える規制緩和法案が国会審議に持ち込まれており、過去3年で非正規から正規雇用に100万人が移行し、失業率も4%を下回り労働環境も改善されている。

都市部の保育施設の拡充、女性の労働者への参加も過去1年半で82万人増加しているが、
依然社会における女性の活躍は限られており、益々の女性の積極的な参画が必要とされている。年金資産の見直しも、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の過去2年間の総投資収益が25兆2000億円に達し、GPIF改革も進行中である。

しかしそのような成果もあるが、依然として予算支出の削減、国会議員、公務員などの人件費削減、特別会計の無駄、行政機構の合理化など未解決な分野と成長戦略の柱となる再生エネルギー、海洋開発などの新技術育成、ベンチャー企業育成などが遅れている。

円安で輸出が伸びて輸出産業が潤い、その効果は下請けにも普及し、全国に広がるとの掛け声は最初にあったが、日系自動車メーカーの海外生産比率は64.2%で日本の対外資産残高は800兆円となり企業のグローバル化で、もはや貿易立国ではなく、昨年の貿易赤字は13兆7000億円に達し貿易依存度は28.4%に過ぎない。
消費税の5%から8%への課税増加で、消費は落ち込み、景気回復は遅れている。ポール・クルーグマンは「せっかくアベノミックスを始めたのに、今の時期に消費税を増税することは、日本経済の復活のために全くプラスにならない。増税によって消費が落ち込む可能性が高い」とまで述べている。

 

論点

このようなアベノミックスの状況を考えて、今後の方向についてどのように考えるべきか設問で皆様の意見を集約したいと考えて、設問を作成しました。

 

アベノミックス賛成意見

ノーベル経済学受賞者のポール・クルーグマンはNew York Timesのコラムで「経済政策について関心が乏しいのでは」「深く考えているわけではないだろう」と皮肉を込めながら「しかし、そんなことは問題ではない。他の先進諸国ができなかった財政・金融の刺激策を実施し、長期金利が急騰せず円が急落するのは日本とって非常に良いことだ」と評価。

FRBのジャネット・イエレン議長は「長期にわたるデフレを解消するためには当然で、筋のとおった政策であり現時点では有効に働いている。日本経済が成長すれば近隣諸国に恩恵が及び、世界経済に利益となる」と下院金融委員会で証言。

 

アベノミックス反対意見

アメリカ下院の与野党226人が日本を主要な為替操作国と名指して、安倍首相の政策は「市場を歪めている」として書簡をオバマ大統領に送った。

中国・新華社は日本銀行の金融緩和策を「このような近隣窮乏化政策を進めれば他国も追従せざるを得なくなり、世界的な通貨戦争を巻き起こす可能性がある」と危惧した。

 

結果公表

考えは良いが一部間違っているが54%で大半であり、現実の経済面でも株価上昇だけで、景気全般では良い結果ではなく、具体的な施策が弱く問題点を抱えている。賃金は大企業は良いが、中小企業は弱く、物価上昇で生活は厳しく 庶民に大きな良い傾向は見られていない。

グラフ1
設問1.アベノミックスは日本のために良い政策か、間違えた政策かについてあなたは

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第1の矢と第2の矢は正しかったが42%で、大半を占めているが、間違っているが25%で、細かな点で間違っているが27%で合 わせて52%が何か問題を抱えていることを示しており、特に大企業は良いが、中小企業にはまだ良い影響が出てきておらず、第3の矢が期待されている。

グラフ2
設問2.第1の矢と第2の矢は正しかったのか

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素晴らしいは6%で、ほとんど評価されておらず、具体性がないが27%,加速すべきが21%, 具体的な施策を打ち出すべきが25%で合わせて94%が期待しているが現実には効果が出ていないと評価しており、大きく期待して待っている状況だ。

グラフ3
設問3.第3の矢(成長戦略)についてはどのように考えますか

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期待されている第3の矢は中小企業育成が16%, 規制撤廃、構造改革が16%, 研究支援が14%, エネルギー開発支援が14%で、合わせて50%が加速を促している。

グラフ4
設問4.第3の矢でもっと早く実現して欲しいのは(3個までチェック可)

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第4の矢は何が必要かについては民間投資促進の手段が27%でそのためにも規制緩和が27%で、まだまだ打つべき施策が遅れていると指摘しており、財政健全化は22%で、政府データ公開は9%でもっと早く施策を促進すべきとの評価が高い。

グラフ5
設問5.第4の矢が必要だとの意見があるが 何がふさわしいか

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総合総評

株価上昇は大企業には評価されているが、中小企業にはあまり良い影響は無く、物価上昇で庶民の経済的状況は悪化しており、もっと社会全体に大きな影響のある具体的な施策の打ち出しを早急に期待している。

企業の投資意欲が早急に立ち上がるには大幅な投資減税や議員報酬の大幅削減や公務員改革で大幅 な支出削減と身を切る覚悟が政府自体が率先してやるべきで、国民は政府自体の動きを待っている状況で、国会で重要な議案審議が遅れて実行が遅れている状況を見ると、野党も真面目に前向きに施策を促進しないと、国民は政治に対する不信感で大きな波が起こるのではないかと不安でいる。

個人の保身ではなく、国全体の改革が期待されいる。
多くの方々がコメントを寄せており、真剣に政治家は考えて欲しい。

 

e世論協会特別資料:みんなの意見

※この度の投票で頂いたコメントを全て掲載した電子資料を制作しました。資料の閲覧は会員様限定となっております。資料を読む場合は下のボタンを押して会員登録をしてください。
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「アベノミックス」 ― その光と影 第25回投票結果

2014年月、e世論協会で行われたネット投票。集まった数多くの意見・提言を資料にして刊行。

■ 発行者:一般社団法人e世論協会

■ 料金:無料

■ ページ数:13ページ

■ ファイル形式:PDF

 

コメント一部掲載

洋 茂

アベノミクス第3の矢(成長戦略)がなかなか進まないのは企業が投資を渋っているからと思われる。
つまり、現在の日本経済の状況から、どうすれば会社を活性化でき、発展軌道に乗せられるのか自信が持てないからではないだろうか。また、投資するなら外国ということではないだろうか。

日本経済を活性化させるには、国内産業を発展させ、雇用を創出・促進させ、中産階級を増やさなければならない。

こういう時は、国が先頭に立ち、国民全体で知恵を出し、新しい産業の芽を発掘し、世界に先駆けて開発し、世界をリードしていけるように研究開発・諸施策を押し進め、経済界にどんどん提示していくべきではないでしょうか。

例えば、ITを駆使した経営・教育・創造ビジネスへの挑戦、世界の素晴らしい文化・英知を即座に検索できるツール、多数国同時通訳、多機能ロボット、米・発酵食品・日本酒等を原料とした食品の開発、海洋開発、海上農園、育てる漁業、深海生物の研究、ナノ微粒子・微生物の研究、海のGPS、その他先端的研究・開発を国の後押しによりどんどん育てていくべきでしょう。

そして、日本企業にどんどん参画してもらうべきでしょう。ぜひ、第3の矢(成長戦略)を発展させてもらいたいものです。

政 芳一

財政の健全化については、議員(国会および地方)および公務員の給与を大幅に削減(公務員については年収500万円、議員については1,000万円が望ましい)する。そうすれば、年間2~4兆円の財政削減が実現する。その金を利用して、雇用対策および中小企業の対策に充てる。

現在、2次産業の凋落は驚く程早く進行している。特に問題になっているのが、後継が居ないので、廃業するのが多い。

この点については、安倍政権は実際には放置である。

また、原発再稼働すると、また莫大な維持費がかるので、即刻中止すべきである。

その金があるのなら、家電製品、特に冷蔵庫およびエアコンの買い替えを推し進め、補助金を出すべきである。

それによって、個々の消費電力が少なくなり、実質的には、総消費電力は現状維持で推移するはずである。また、購買意欲が高まり、景気が良くなるはずである。

小西眞裕

アベノミックスは正しい方向であるが自ら姿勢を正す意味で予算の効果的な配分で効果を上げるべきで、国会議員の大幅削減と公務員の大幅削減、大幅な規制緩和を実施し、地方への大幅権限委譲を実現しててコストを大幅に削減し財政健全化を図るべきだ 本当の日本の維新を断行することだ。

藤元 純也・桑原龍司

1、エネルギー対応
 アベノミクスの構成要因の内、重要なポジションを占めるエネルギー対応に関し、風力発電はコスト的に 問題があり当初予定した様な効果が得られ無いことに加え、大阪ガスがテキサス州で進めていたシエルオ イルガス田開発で290億の損出を計上し、住友商事も1700億の損出を計上した。この様な将来的に期待 が持てる資源開発には国としての支援が必要と思われる。

2、円高修正
 3本の矢の内、大胆な金融緩和による円高修正では其の効果が出て円高は解消され、むしろ円安過剰状態 になつているが円安を享受するのは輸出型の大企業であり、98%を占める中小企業は、輸入する原材料の 高騰とエネルギーコストの上昇により業績に大きな重荷となり経済の活成化に対し、足かせとなつてい  る、此処に来て多少の円安是正策が必要であると思われる。

3、社会保障費対策
 お金を溜め込んでいる団塊世代が企業を卒業し、消費拡大に期待されているが、社会保障の新たな形が未 だ見えてこない為、財布の紐がなかなか緩んでこないので消費に繋がらない。早期に新たな制度の全体像 が見えるようにすべきである。

4、三本の矢の基軸
 成長戦略の基軸となる中小企業の活力で日本独自のイノベーションが生まれ世界への展開が図れるのが本 来の姿であるが、成長戦略に於いて具体性が少なく、内容が無い。

5、隣国との協調
 早く縺れている、中韓との関係良化を図り互恵的な関係による経済協力を早く構築すべきである。